我が子への劣等感から目指した中学受験の結果は?教育虐待という令和の病理

2024-02-02

【あらすじ】

専業主婦の土井くるみは長男・こうたに特別じゃなくても普通の幸せをつかんでほしいと考えていた。
しかし、こうたは体が弱く、自己主張もあまりしないことから小学校のヒエラルキーが下であることを知ってしまう。
また、こうたが進学予定の地元の中学校は生徒の素行のせいで評判が悪いということを知ったくるみは、親が行動しないと子どもに普通の幸せを与えられないという思いからこうたの中学受験を決意する。
受験勉強を頑張るこうたのために様々な情報を仕入れて実践していくくるみ。だが、くるみの思いはこうたを、家族を次第に追い詰めていくのだった――。
果たして「子どものため」の正解とは? 毒親問題に切り込む挑戦的セミフィクション。

【解説】田房永子(漫画家・コラムニスト) 「モンスター母に抵抗できる唯一の武器」

引用元:この本の情報

感想

子どもの能力、発達を過剰に心配し、中学受験を目指したことで崩壊した、とある家族のウソのような本当のおはなし(セミフィクション

ページをめくる手が止まらなかったのは、結末を知りたかったから?それとも自分にも思い当たる節があるから?…

ただ健常に生まれて来てくれればそれで良かった時期から遠く離れ、子の生きる時間全てをコントロールするお母さんの姿は愛か狂気か。

救いも答えもない作品で、はっきり言って読後は悪いです。

凄く悪い

寝床でいろいろ考えてしまうので、とくに夜は読めない…。

ですが、ゆえに親とは“子に対しどうあるべきか”をおのおのが深く考えねばならないのだと呼びかける作品だと私は解釈しました。

教育熱が高まる昨今の、現役親世代に強くおすすめ。

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