ママ友って仮初の関係かもね＿犯人は私だけが知っている～母たちは静観する～感想
私はあの人のことがずっと嫌いだった。
母親同士の人間関係が崩れていく…
ある日突然、自分の子供が犯人だと言われたら…?
同じ幼稚園に通う4人のママ友たち。いつも仲良かったはずなのに、一つの事件から疑心暗鬼に陥っていく…
車の傷、自転車のサドルの穴… 連続する不可解な出来事。
みんな好き勝手に噂する。
憶測と事実がないまぜとなり…、本当の犯人は誰?
引用元：犯人は私だけが知っている～母たちは静観する～
作者のゆむいさんといえば私は、ふよぬけという作品で知ったのですが、ママ向け漫画が好きな方なら、ゆむいさんの作品を一度でも読んだことがある方もいらっしゃるかも知れません。
試し読みをしてみてとても面白かったので購入に至った、ミステリー風味なこちらの作品。
一気読みしたので、まず感想から書いてまいりますね！
犯人は私だけが知っている＿感想
4コマで冒頭の話のみカラー、のちはモノクロで総数184ページ。
分かりやすく可愛らしい絵柄なのでさらさらと読めるのですが…
冒頭にトラブルが起きてしまうし、お互いを信頼しているのか出来ていないのか分からない様子のママたちのおかげで（？）最初からずっと不穏な空気が張り詰めているので、誰が真犯人か分からない緊張感がずっと続きます。
その緊張感が不快ではやく真相を知りたいような、丁寧に読みたいような、不思議な感覚を持つ作品。
何でも話せるようで、実は希薄なママ友付き合い。
登場人物が概ね転勤族なのもあってよりそれを加速しているのですが、お互いの子ども（能力や発達など）や世帯を比べてしまう感じ、腹を探り合ってしまう感じが本当にリアル。
普通の友だち付き合い、普通の人付き合いと何が違うって、やっぱり子ども繋がりでできた関係だからか、トラブルが起きた時や状況・立場が変わると途端に破綻してしまう危うさがあるもの。
あらすじを交えつつ見どころをご紹介して参りますね。
あってはならないトラブル
でも 4家族で誠心誠意対応すれば
ちゃんと解決できる…
…よね？
犯人は私だけが知っている～母たちは静観する～
主人公のさくらの娘、おっとりしたしおんちゃん
元気いっぱいのエイトくん。
謎が多いライムくんに、ちょっと甘えん坊なムギくん。
幼稚園つながりのママ4人と、その子どもたちが起こしたとあるトラブル。
それは、駐車場に留めてあった車（しかも外車！）に傷をつけてしまったこと。
幼稚園へバスで通わせている方ならピンとくるかと思いますが、子どもバスから降車したあとってその場で保護者同士話し込んだり、子どもが遊び始めますよね。
この作品の登場人物らはあろうことか、そんな時間を駐車場で過ごしてしまった模様、、、
『お母さ～ん』
『ムギたちがクルマにイタズラしてるかも～』
短縮授業で帰宅の早かった、ムギくんのお姉ちゃん、みく。
彼女にそう話しかけられ焦ってかけつけるのは、高見まりこ。
自慢やマウント、すぐに人を見下すクセ（しかも無意識に？）のある人物で、他の3人のママからはちょっと距離があったりなかったり。
ホコリの被った外車についたのは、指でなぞったお絵描きだけでなく横一文字に入った白い傷。
金属などの硬いものでこすったような跡？
子供たちの様子では、
- しおんちゃんは猫じゃらし
- エイトくんは短冊の笹
- ムギくんは指先にホコリ
- ライムくんは石
一見するとライムくんが石でこすった？？？
高見まりこは思わず、
『（石で）それで描いちゃったの？』
と、あたかもライムくんが犯人だと言いたげな様子で問いただします。
壊れていく絆
いざこういう書類を手にすると
ものすごい罪悪感…
犯人は私だけが知っている～母たちは静観する～
みくちゃんはみんなにああ言ったけれど…
そもそもその傷が元からついていたものなのか、今誰かの子どもがつけてしまったものなのか、実際の現場を見ていないママたちはただただ茫然、、
実際に自分もこんな場面に遭遇したら一瞬固まると思うのですが、
『これはもう ここにいる私たち全員の責任だよ』
やんちゃなエイトくんのママ、西井えりの発言により、ライムくんかも…？という疑念はこの場から払拭され、みんなで責任を負う風向きとなります。
社宅の駐車場ということで持ち主と連絡をとり、傷の確認、そしてやはり賠償と言う流れに。
修理見積はなんと60万！
保険を適用しても足が出た分は4家族で割って、一世帯あたり10万円。
それぞれ家庭で持ち帰ったり、自分の家の子がやっていないか改めて聞くあたりが本当にリアル。
どの子に聞いても、『？』とか、『わかんない』と言うんですよね。
この子たち年長さんなので、誰がどこで何をしていたか誰か一人でも証言できそうなのになぁと感じていた感想が、ちゃんと最後の最後で晴らされます。
事件が噂に…
みんなには言わないでって言うと余計広まるし…
もうダメだ…
犯人は私だけが知っている～母たちは静観する～
警察が現場検証を行っている瞬間を見られていた様子のママたち。
幼稚園ではその話題で持ちきりの様子で、主人公のさくらもアレコレ詮索されてしまいます。
そもそも自分の子やお友だちがやったかどうかも分からないのに、噂が広がる事態を危惧しつつ…
聞かされたのは、最初に容疑をかけられたライムくんとママの雪田さんが、バス通園を辞めてしまったということ。
仲良しだと思っていたのに突然の知らせに驚いているとさらに、
クルマを傷つけたのはライムで間違いないから
賠償は全部うちで引き受けます
犯人は私だけが知っている～母たちは静観する～
と、雪田さんから相談されたと言う高見さん。
二人きりになったときにライムくんが直接言ってくれたという高見ママの発言に、それでバス通園も辞めて塞ぎ込んでいるのでは…と良からぬ想像が止まらないさくら。
しかし西井さんはそんな話有り得ないと思いつつ、大人しい雪田さんに石を持っていたライムくんなら、確かにそうなのかも…と半分信じてしまいます。
そんな中起きた、駐輪場でのボヤ騒ぎに、自転車へのイタズラ。
幼稚園でも良くない噂が飛び交い、もはや何が何だか分からない状態に、、、
さすがに違和感を感じたさくらと西井さん。
雪田さんに直接確認するために、電話をかけた二人。
…
彼女の反応は…？
賠償はきちんと済まされるのか？
傷をつけた真犯人は？
ママ友関係のゆくえは…
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